○稲敷市損害賠償等の事務処理要領
令和5年3月30日
訓令第2号
(趣旨)
第1条 この訓令は、事故の損害賠償及びその求償並びに和解に関する事務の適正な処理を行うため、当該事務の遂行に関し必要な事項を定めるものとする。
(1) 事故 次に掲げる国家賠償法(昭和22年法律第125号)、民法(明治29年法律第89号)、自動車損害賠償保障法(昭和30年法律第97号)その他法令等の規定に基づき稲敷市が損害賠償の責を負うべき案件をいう。
ア 職員等(委託等により市の業務を行う者を含む。)が職務上故意又は過失によって他人に損害を与えた事案
イ 公の施設又は公の営造物の設置又は管理に瑕疵あったために他人に損害を与えた事案
(2) 損害賠償等に係る事務 事故に関し、示談又は和解をするため損害を与えた相手方及び加入する保険若しくは共済制度を運用する者と協議を行い、並びに市議会に提出する議案の作成に関する事務をいう。
(3) 所属長 損害賠償等に係る事務を所掌する課長等をいう。ただし、事故の当事者が課長等の職である場合は、課長補佐又は係長の職である者をいう。
(4) 所属部長 所属長の属する部等の長をいう。
(5) 事故保険加入課長 事故に対応するため、保険会社等と契約する課等の長をいう。
(損害賠償等の事務分掌)
第3条 損害賠償等に係る事務の処理は、事故の当事者である職員若しくは事故の発生に責任を有する職員が属し、又は事故が発生した公の施設若しくは公の営造物を管理する課等において行うものとする。
(事故の報告等)
第4条 所属長は、事故が発生した場合において当事者である職員に当該事故の状況を報告させ、又は自ら当該事故の調査を行い、事故発生後速やかに当該事故の状況等(記載可能な事項に限る。)を損害賠償事故発生報告書(様式第1号)に記載し、当該報告書を所属部長、事故保険加入課長、庶務担当課長及び庶務担当部長を経由して市長に報告しなければならない。
2 発生時において事故に該当しないとしたものについて、損害賠償請求又はそれに類する行為がなされたときは、当該損害賠償請求又はそれに類する行為が行われた時に事故が発生したものとしてこの訓令の規定を適用する。
(損害賠償額等の決定手続)
第5条 所属長は、前条第1項の規定により報告した後、必要に応じて事故について更に詳細な調査を行い、並びに損害賠償等に係る事務の処理方針及び損害賠償予定額を設定し、これに沿って誠意をもって、損害賠償をすべき事故の相手方と交渉するものとする。
2 前項の規定により損害賠償等に係る事務の処理方針及び損害賠償予定額を設定する場合は、必要に応じて庁議等に諮り、又は市長の決裁を受けるものとする。
3 損害賠償をすべき事故の相手方との交渉において、次の事項を相手方に説明するものとする。
(1) 地方自治法(昭和22年法律第67号)第96条第1項第12号及び第13号の規定による議会の議決及び予算措置が必要な場合における当該予算に係る議決(以下これらを総称して「議決」という。)又は同法第179条若しくは第180条の規定による市長の専決処分(以下「専決処分」という。)が行われることが交渉の結果を成立させるために必要な条件であること。
(2) 事故の概要(相手方の氏名及び住所並びに損害賠償額等を含む。)が議決を得るための議案又は専決処分の報告として議会に提出されること。
4 所属長は、前3項の規定による交渉の結果、交渉が調ったときは、速やかに損害賠償等を行うことについて議決又は専決処分のための手続をとらなければならない。
(損害賠償額の支払)
第7条 損害賠償金の支払(契約により損害賠償金の支払を第三者に行わせる場合を含む。第3項において同じ。)は、損害賠償についての議決又は専決処分がなされた後、当該議決又は専決処分が行われたことを確認した上で速やかに事故保険加入課長が手続をとるものとする。
(1) 議決 地方自治法第123条第4項の規定による会議の結果の報告に係る書面及び予算に係る議決が必要な場合には同法第219条第1項の規定による予算を定める議決の送付に係る書面
(2) 専決処分 市長の決裁のある起案文書
3 前2項の規定にかかわらず、損害賠償金の支払について、その議決又は専決処分を行う前に概算払を行う必要があると市長が認めるときは、損害賠償金の支払を概算払により支払うことができる。
(求償の事務)
第8条 国家賠償法第1条第2項に規定する職員に対する求償権の行使に関する事務は、事故の態様に応じて、庶務担当部長が庁議に諮り、又は市長の決裁を受けて処理する。
(和解に係る事務)
第9条 国家賠償法に基づき損害賠償の責を負うべき案件とされるため交渉を行った結果、市が損害賠償を行わないこととなった案件であって、和解に該当するものについては、第7条の規定を除き、損害賠償等に係る事務と同様の手続を行うものとする。発生時から和解に該当すると予見されたものについても同様とする。
(補則)
第10条 この訓令に定めるもののほか、損害賠償等に係る事務を行うために必要な事項は、市長が別に定めるものとする。
附則
この訓令は、令和5年4月1日から施行する。