○稲敷市校外における学校行事等実施基準
平成17年3月22日
教育委員会訓令第9号
1 対外競技
(1) 趣旨
対外競技は、児童、生徒の心身の発達を促し、公正にして健全な社会的態度を育成するためのよい機会であるが、特に教科としての体育、クラブ活動、校内競技などの関連を十分に考慮し、学校教育の一環として実施しなければならない。
(2) 実施範囲
ア 小学校
小学校においては、対外競技は、原則として行わないものとする。ただし、親ぼくを目的とする稲敷市の区域内の隣接の学校との連合運動会は、その親ぼくという目的を逸しない限り実施することができる。
なお、宿泊を伴ってはならない。
イ 中学校
中学校においては、茨城県内の競技会にとどめるものとする。ただし、隣接県にまたがる競技会は、教育委員会の承認がある場合に限り実施することができる。
なお、なるべく宿泊は伴わないよう留意しなければならない。
(3) 主催団体及び機関
ア 小学校
小学校の児童が参加できる連合運動会の主催者は、学校又は教育委員会とする。
イ 中学校
中学校の生徒が参加できる競技会は、教育関係団体又は機関が主催し、その責任において教育的に運営されるものに限るものとする。この場合、教育関係団体とは、日本スポーツ協会、これに加盟している競技団体及びこれに準ずる競技団体並びに学校体育スポーツ団体及びこれらの下部組織を指し、機関とは、文部科学省、教育委員会等の教育行政機関をいう。ただし、学校間の狭い範囲の競技会は、関係学校において主催することができる。
(4) 実施上の留意事項
ア 対外競技は、休業日又は授業に支障のない日に実施することを原則とする。
イ 対外競技に出場する選手は、できるだけ多くのものが参加できるよう考慮するとともに、決定に当たっては、本人の意思、健康、学業、品性等についても配慮するものとする。
ウ 対外競技に出場する選手は、あらかじめ健康診断を受けさせるとともに、出場について保護者の承諾を得るものとする。
エ 対外競技は、児童、生徒の心身の発達や性別に応じて行わなければならない。
なお、女子が参加する場合には、必ず女教師が付き添わなければならない。
オ 応援については、児童、生徒としてふさわしい態度をとるよう適切な指導をするものとする。
カ 学校を代表しないで競技会に参加する場合についても、以上の基準の趣旨を十分指導しなければならない。
2 水泳
(1) 目的
心身の発達に応じて泳法を習得させ、水泳の心得を理解し、健全な身体の育成を図る。
(2) 実施地の選定
実施地を選定するに当たっては、次の諸点に十分留意しなければならない。
ア 実施地の潮流、流速等
イ 実施地の河床、海底の状況
ウ 実施地付近の汚物、病菌の有無等
エ 実施地の川岸、海辺における地形の状態
オ 実施前及び実施中の水温
カ 従前の事故の有無
(3) 施設設備
実施に当たっては、次に掲げる施設設備のある場所を選定するか、又は学校が施設を整備することが望ましい。
ア 脱衣所
イ 湯呑所
ウ 便所
エ 救護所
オ 洗身所
カ 標識
キ 監視所
ク 救助舟及び救助用具等
(4) 実施上の留意事項
ア 児童、生徒の体力、技術に応じた無理のない指導計画をたてるものとする。
イ 参加児童、生徒については、あらかじめ学校医による健康診断を実施するとともに、特に陽転後1年以内の児童、生徒の参加については、学校医の指示を受けるものとする。
ウ 指導者は、少なくとも児童、生徒15人につき1人が当たるとともに、常に入水前後の人員の掌握と、水泳中における監視に専念しなければならない。
エ 参加児童、生徒の食物、身体上のことについて十分注意し、早期に異常の発見に努めるとともに、携行医薬品を用意しておかなければならない。
オ 校長は、実施地の保健所、海上保安部、警察署その他地元監視所等にあらかじめ連絡し、協力を求めることが望ましい。
3 宿泊を伴う共同生活学習
(1) 趣旨
児童生徒をとりまく学習環境、生活環境の現状にかんがみ、教師と児童生徒が豊かな自然に親しみ、宿泊を共にすることによって、相互の人間関係を深め、心身ともに調和のとれた児童生徒の健全育成を図ることを目的とする。
(2) 目標
ア 豊かな人間教育のために。
教師と児童生徒が寝食を共にし、自然環境等を活用した学習活動を通して、心の触れ合いを図り、友情、信頼関係を深める。
イ 豊かな心、たくましい身体の育成を図る。
自然体験学習や地域文化との触れ合いを通して、生命や自然への畏敬の念や豊かな心を養い、たくましい身体の育成を図る。
ウ 道徳的実践の育成を図る。
集団における自己の役割と集団に対する協力、責任等の認識を深め、進んで社会に貢献する行動力を培う。
(3) 実施場所の選定
県内又は隣接県での実施を原則とする。
(4) 実施期間
小学校にあっては2泊3日、中学校にあっては3泊4日を限度とする。
(5) 実施時期
年間を通して適切な時期を選んで実施する。
(6) 実施上の留意事項
ア 実施計画については、目標の重点化と内容の精選に努め、教師と児童生徒がゆとりをもって話し合う時間がもてるようにする。
イ 実施に当たっては、事前に現地調査を行い非常災害の避難対策や潜在危険に十分備える等児童生徒の安全確保を図る。
ウ 利用施設については、参加人数の規模、男女の性別及び心身の障害に配慮して選定する。
エ 事前に保護者に連絡し、その承諾を得るとともに、健康診断を行い、宿泊先での感染症予防に十分留意するなど、保健管理に万全を期する。
オ 活動内容の中に、スキー等を計画して実施する場合は、共同生活学習の趣旨を十分に踏まえた計画をする。
カ 実施期間中は、必要に応じて保護者等との連絡を密にする。
キ 保護者の負担経費が多額とならないよう計画し、遠隔地での実施は努めて避けるようにする。
ク 教育課程へは学校行事として位置付ける。
4 遠足及び修学旅行
(1) 目的
ア 小学校
校外の自然や文化に触れさせることによって、児童に豊かな経験を与え、学校における学習活動を充実、発展させるとともに、集団行動の楽しさを感じさせる。
イ 中学校
(ア) 我が国の文化、経済、産業、政治などの重要地を直接に見聞することによって、各教科その他における指導を拡充し、広い知見と豊かな情操の育成に資する。
(イ) 学校の外に出て、集団的に行動することをとおして、健康、安全、集団生活のきまり、公衆道徳などについて望ましい体験を得させる。
(ウ) 未知の世界を見聞し、又は教師や学友と生活をともにすることによって、生涯の楽しい思い出を作り、学校生活の印象を豊かにさせる。
(2) 実施計画
計画の樹立に当たっては、学校の教育活動の一環として行われるものであるとの認識を常に忘れず、保護者並びに児童、生徒に過重な心身的、経済的負担がかからないよう留意するとともに、目的地及びコースの選定に当たっては、あらかじめ必要な調査、研究を行い、目的が十分達成されるよう考慮しなければならない。
(3) 実施時期
なるべく混雑する時期を避け、楽しい旅行が実現できるよう配慮するものとする。
(4) 実施学年及び回数
遠足は、各学年とも、原則として年2回の範囲内で実施するものとする。
修学旅行は、在学中1回、中学校の最終学年に実施するものとする。
(5) 実施上の留意事項
ア 旅行日数
遠足は、日帰りとする。
修学旅行は、原則として1泊2日以内で行うものとする。ただし、地域の特殊事情、利用交通機関の状況等により1泊2日の旅行が、生徒の心身に著しく影響を及ぼすと認められる場合は、これを2泊3日まで延長できるものとする。
イ 出発及び帰校時刻
学校所在地の出発及び帰校時刻は、早暁又は夜間にわたらないよう注意しなければならない。
ウ 経費
経費は極力節約を図り、保護者の負担の軽減を図るよう留意しなければならない。なお、あらかじめ積立金等の方途を講じておくことが望ましい。
エ 児童、生徒の参加
児童、生徒の参加については、あらかじめ保護者の承諾を得て、大多数のものが参加できるように配慮するものとする。
オ 宿舎の選定
宿舎を選定するに当たっては、環境、収容力、構造、保健衛生などの状態について事前に十分な調査を実施しなければならない。
カ 交通機関の選定
交通機関を選定するに当たっては、事故の未然防止の立場から、その種類、所要時間、経費、安全度、信頼度等について事前に十分検討しなければならない。
キ 旅行あっせん業者の利用
旅行あっせん業者を利用して計画を樹立する場合は、旅行業法(昭和27年法律第239号)による登録の有無、業者の組織、信用度、あっせん料金などについて十分な検討を加え、常に主体性をもって当たらねばならない。
ク 事故の防止
交通事故、食中毒、感染症、負傷、不良行為及び盗難等の事故防止については、事前に関係機関の協力を得て、万全の措置をとらなければならない。
ケ 服装、携行品
服装、携行品については、華美にわたらないように注意し、非常に際しては、敏速な行動がとれるよう事前に十分指導しなければならない。
コ 引率教師
引率教師は、適当数の教師をもって充て、校長又はこれに代わる教師が参加して全体の引率責任者とならなければならない。
なお、養護教諭は、努めて同行することが望ましい。
サ 事前及び実施後の指導
事前及び実施後の児童、生徒に対する指導は、計画的に行い、旅行の成果が十分果たせるよう努めるものとする。
附則
この訓令は、平成17年3月22日から施行する。
附則(令和6年教委訓令第1号)
この訓令は、令和6年4月1日から施行する。