○職員の不利益処分についての審査請求に関する規則
平成10年7月27日
公平委員会規則第2号
目次
第1章 総則(第1条―第3条)
第2章 代理人(第4条―第7条)
第3章 審査請求(第8条―第11条)
第4章 審査の手続き(第12条―第22条)
第5章 証拠調べ(第23条―第37条)
第6章 審査の終了及び審査の結果執るべき措置(第38条―第40条)
第7章 再審(第41条―第44条)
第8章 雑則(第45条・第46条)
附則
第1章 総則
(趣旨)
第1条 この規則は、地方公務員法(昭和25年法律第261号。以下「法」という。)第8条第8項及び第51条の規定に基づき、職員の懲戒その他その意に反する不利益処分(以下「不利益処分」という。)についての審査請求の手続き及び審査の結果執るべき措置に関し、必要な事項を定めるものとする。
(当事者)
第2条 この規則において、当事者とは、請求人及び処分者をいう。
2 請求人とは、不利益処分を受けた者で審査請求をする者をいい、処分者とは、不利益処分を行った者をいう。ただし、処分者が当該不利益処分を行った後において、その職を離れた場合には、その職又はこれに相当する職にある者を処分者とみなし、当該不利益処分を行った者の職が廃止された場合には、それに代わると認められる職にある者を処分者と見なす。
(文書の送達)
第3条 文書の送達は、郵便又は交付によりこれを受けるべき者の住所又は居所にあてて行うものとする。ただし、処分者又は事務所を有する代理人については、その事務所にあてて行うものとする。
2 交付による送達は、公平委員会の事務職員(以下「事務職員」という。)が、文書を前項の規定により送達すべき場所において、その送達を受けるべき者に交付して行うものとする。ただし、公平委員会が必要と認めるときは、その他の場所において交付することができる。
3 前項本文の場合において、送達をすべき場所で送達を受けるべき者に出会わなかったときは、その者の同居の者で文書の受領について、相当のわきまえのある者に文書を交付することができる。
4 文書の交付を受けるべき者その他前項に規定する者が、送達すべき場所にいない場合、又は正当な理由がなくてその受領を拒んだときは、その送達をすべき場所に文書を差し置くことができる。
第2章 代理人
(代理人)
第4条 当事者は、必要があるときは、いつでも代理人を選任及び解任することができる。
2 当事者は、代理人を選任又は解任したときは、すみやかにその旨を代理人選(解)任届(様式第1号)により公平委員会に届け出なければならない。
3 前項の規定による代理人の選任に係る届け出には、代理権限を証する文書を添付しなければならない。
(代理人の数の権限)
第5条 公平委員会は、審査を行うについてその円滑迅速な進行と公正な運営を期するため、特に必要があると認める場合は、代理人の数を制限することができる。
(代理人の権限)
第6条 代理人は、当事者のためにその事案の審査に関し必要な行為をすることができる。ただし、審査請求の全部又は一部を取り下げることはできない。
2 代理人の行った行為は、当事者が直ちに取り消し、又は訂正したときは、その効力を失う。
(主任代理人)
第7条 当事者は、2人以上の代理人を選任したときは、そのうち1人を主任代理人に指定しなければならない。
2 当事者は、主任代理人を変更することができる。
3 当事者は、口頭審理期日に主任代理人が出席できない場合は、当該口頭審理に係る審理行為に関する主任代理人を臨時に指定することができる。
4 前3項の規定により、指定又は変更した場合においては、その旨を公平委員会に届け出なければならない。
5 主任代理人は、代理人に対する文書の送達について他の代理人を代表する。
6 主任代理人以外の代理人は、口頭審理においては、主任代理人の同意がなければ、申立て、質問、尋問、陳述その他の審理上の行為をすることができない。
第3章 審査請求
(審査請求)
第8条 請求人が法第49条の2第1項の規定により不利益処分について審査請求をしようとするときは、審査請求書(様式第2号)正副2通を公平委員会に提出してしなければならない。
2 審査請求書には、次の各号に掲げる事項を記載し、請求人が記名しなければならない。
(1) 不利益処分を受けた者の氏名、住所、生年月日、職及び所属課所
(2) 不利益処分を受けた者の処分を受けた当時の職及び所属課所
(3) 処分者の職及び氏名
(4) 不利益処分の内容及び不利益処分を受けた年月日
(5) 不利益処分があったことを知った年月日
(6) 不利益処分に対し求める措置
(7) 不利益処分に対する不服の理由
(8) 法第49条第1項又は第3項の規定により交付を受けた説明書(以下「不利益処分説明書」という。)の交付を受けた年月日。ただし、不利益処分説明書が交付されなかったときは、その経緯
(9) 審査請求の年月日
3 審査請求書には、不利益処分説明書を受領しているときは、その写しを添付しなければならない。
4 審査請求書の第2項第1号の記載事項に変更が生じた場合には、すみやかに当該変更事項を公平委員会に文書により届け出なければならない。
(審査請求の受理及び却下)
第9条 審査請求書が提出されたときは、公平委員会は、その記載事項、請求人の資格及び審査請求の提出期限その他の事項について調査し、審査請求を受理するか又は却下するかを決定するものとする。
2 前項に規定する調査の結果、審査請求書に不備の点があると認められるときは、公平委員会は、相当の期間を定めて請求人にその補正を命ずることができる。ただし、不備の点が軽微であって、事案の内容に影響がないと認められるときは、公平委員会は、職権でこれを補正することができる。
3 請求人が、前項の補正命令に従わなかった場合には、公平委員会は審査請求を却下することができる。
4 公平委員会は、審査請求を受理すべきものと決定したときは、その旨を当事者本人に通知するとともに処分者に審査請求書の副本を送付するものとする。
5 公平委員会は、審査請求を却下すべきものと決定したときは、その旨を請求人に通知するものとする。
(審査の併合又は分離)
第10条 公平委員会は、当事者の申請又は職権により、同一又は相関連する事案に係る数個の審査請求を併合して審査することが適当であると認めるときは、これを併合して審査することができる。
2 公平委員会は、必要があると認めるときは、前項の規定により併合した事案を分離して審査することができる。
3 前2項の規定により審査を併合し、又は分離して行う場合においては、公平委員会は、その旨を当事者に通知するものとする。
(代表者)
第11条 審査の併合に係る事案の請求人は、それらのうちから代表者1名を選任及び解任することができる。
2 請求人が代表者を選任又は解任したときは、すみやかにその旨を代表者選(解)任届(様式第3号)により公平委員会に届け出なければならない。
3 代表者は、請求人のためにその事案の審査に関する一切の行為をすることができる。ただし、審査請求の全部又は一部を取り下げることはできない。
4 公平委員会の請求人に対する通知その他の行為は、代表者が選任されている場合には、代表者にすれば足りるものとする。
第4章 審査の手続き
(口頭審理の請求及びその撤回)
第12条 請求人は、審査が終了するまでは、いつでも口頭審理を請求し、又はその請求を撤回することができる。
2 前項の請求及びその撤回は、文書でしなければならない。
3 第1項の請求がない場合又はその請求が撤回された場合において、請求人の申立てがあったときは、公平委員会は、その者に口頭で意見を述べる機会を与えることができる。
(答弁書)
第13条 公平委員会は、書面審理を行う場合において、必要があると認めるときは、処分者に対し相当の期間を定めて、不利益処分の理由に関する具体的な説明及び請求人の主張に対する答弁を記載した正副2通の答弁書の提出を求めるものとする。
2 処分者は、答弁書に必要と認める資料を添付することができる。
3 公平委員会は、答弁書が提出された場合には、請求人にその副本を送付するものとする。
(反論書)
第14条 公平委員会は、書面審理を行う場合において、必要があると認めるときは、請求人に対し相当の期間を定めて、処分者の主張に対する認否及び反論を記載した正副2通の反論書の提出を求めるものとする。
2 請求人は、反論書に必要と認める資料を添付することができる。
3 公平委員会は、反論書が提出された場合には、処分者にその副本を送付するものとする。
(当事者に対する質問及び立証の要求)
第15条 公平委員会は、必要があると認めるときは、当事者に質問し又は立証を求めることができる。
(準備手続き)
第16条 公平委員会は、必要があると認めるときは、口頭審理の準備手続きを行うことができる。
2 当事者は、準備手続きにおいて、次に掲げる事項を協議しなければならない。
(1) 口頭審理の期日の予定に関する事項
(2) 争点の整理に関する事項
(3) 証拠の整理に関する事項
(4) その他必要な事項
3 公平委員会は、準備手続きにおける協議の都度、準備手続調書を事務職員に作成させるものとする。準備手続調書には、公平委員会の委員(以下「委員」という。)が署名するものとする。
(口頭審理の期日)
第17条 口頭審理の期日は、公平委員会の委員長(以下「委員長」という。)が指定する。
2 当事者の一方及びその代理人が、ともにやむを得ない事由によって指定された期日の口頭審理に出席できないときは、その期日の変更を申請することができる。この場合においては、口頭審理の期日前3日までに到達するように理由を記載した口頭審理期日変更申請書を委員長に提出しなければならない。
3 委員長は、前項の申請が正当な理由に基づくものと認めるときは、新たな期日を指定しなければならない。
2 公平委員会が前項の規定により、文書の提出を求めた事項については、当事者は、当該文書に記載しなかった事実を口頭審理において主張することができない。当事者が相当の期間内に文書を提出しなかったときも、同様とする。ただし、当該文書に記載できず、又は相当の期間内に文書を提出できなかったことにつき、やむを得ない事情があったことを疎明したときは、この限りではない。
(発言の許可及び禁止並びに秩序維持のための措置)
第19条 委員長は、口頭審理において発言を許し、及びその指揮に従わない者の発言を禁止することができる。
2 委員長は、口頭審理において公平委員会の職務の執行を妨げる者又は不当な行状をする者を退席させ、その他口頭審理における秩序を維持するため必要な措置をとることができる。
(争われない主張)
第20条 当事者の一方、その代理人及び代表者がともに口頭審理の期日に正当な理由がなくて出席しなかったとき、又は出席しても相手方の主張した事実について争われなかったと明白に認められるときは、相手方の主張した事実を承認したものとみなすことができる。
(口頭審理の終了に際し委員長が行うべき措置)
第21条 委員長は、口頭審理を終了させる前に当事者に対して最終陳述をし、かつ必要な資料を提出する機会を与えなければならない。
(審理調書)
第22条 公平委員会は、審理の都度、次に掲げる事項を記載した審理調書を事務職員に作成させるものとする。審理調書には、審理を担当した委員が署名するものとする。
(1) 事案の表示
(2) 審理を行った委員の氏名
(3) 審理の内容の概要
(4) 口頭審理を指揮した者
(5) 口頭審理に出席した当事者及び代理人の氏名
(6) 口頭審理の場所及び日時
(7) 口頭審理を公開したこと又は公開しなかったこと
(8) その他必要と認める事項
第5章 証拠調べ
(証人を出席させるための承認申請)
第23条 当事者は、公平委員会の承認を得て、その指名する者を証人として出席させることができる。
2 前項の承認を申請する場合は、次に掲げる事項を記載した文書でしなければならない。
(1) 証人の氏名、住所、生年月日及び職業
(2) 証言を求めようとする事項
(証拠資料の提出)
第24条 当事者その他その事案に関係を有する者は、証拠書類及び証拠物(以下「証拠資料」という。)を公平委員会に提出することができる。
(証拠資料の却下)
第25条 公平委員会は、前条の規定により証拠資料が提出された場合において、その必要がないと認めるときは、これを却下することができる。
(証拠調べの申請)
第26条 当事者は、公平委員会に対し証人の尋問その他の証拠調べを申請することができる。
2 前項の証拠調べの申請は、証明しようとする事実その他必要な事項を記載した文書でしなければならない。
(証拠調べの申請の却下)
第27条 公平委員会は、前条の規定により証拠調べの申請があった場合において、その証拠調べが不必要と認められるときは、その申請を却下することができる。
(職権による証拠調べ)
第28条 公平委員会は、必要があると認めるときは、職権で証拠調べをすることができる。
2 呼出状には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
(1) 証人の氏名及び住所
(2) 出席すべき日時及び場所
(3) 証言を求めようとする事項
(4) 正当な理由がなくて出席しなかった場合の法律上の制裁
(証人の宣誓)
第30条 委員長は、証人に対して陳述を求めようとする場合においては、あらかじめ宣誓の趣旨を告げ、虚偽の陳述を行った場合又は正当な理由がなくて証言を拒絶した場合の法律上の制裁を告げた上、宣誓を行わせなければならない。
(口述書の提出要求)
第31条 公平委員会は、必要があると認めるときは証人に対し、口頭による証言に代えて口述書の提出を求めることができる。
2 口述書を提出させる場合は、次に掲げる事項を記載した文書でしなければならない。
(1) 証人の氏名及び住所
(2) 提出すべき日時及び場所
(3) 証言に代えて求めようとする事項
(4) 正当な理由がなくて提出しなかった場合、又は虚偽の事項を記載した口述書を提出した場合の法律上の制裁
(当事者尋問)
第32条 公平委員会は、当事者本人を尋問することができる。
(証人及び当事者本人の尋問)
第33条 証人及び当事者本人の尋問は、委員長が行うものとする。ただし、委員長は、必要があると認めるときは、当事者に行わせることができる。
(対質)
第34条 委員長は、必要があると認めるときは、当事者相互、当事者と証人又は証人相互の対質を命じることができる。
(鑑定)
第36条 公平委員会は、必要があると認めるときは、鑑定人に鑑定をさせることができる。
(証拠書類の提出要求)
第37条 公平委員会は、証拠書類を所持する者に、日時及び場所を指定して、それらの書類若しくはその写しの提出を求めることができる。この場合には、その者に対し、正当な理由がなくてそれらの書類若しくはその写しを提出しなかった場合、又は虚偽の事項を記載したそれらの書類若しくはその写しを提出した場合の法律上の制裁を通知しなければならない。
第6章 審査の終了及び審査の結果執るべき措置
(審査請求の取り下げ)
第38条 請求人は、公平委員会が事案について裁決を行うまでの間は、いつでも審査請求の全部又は一部を取り下げることができる。
2 審査請求の取り下げは、文書でその旨を公平委員会に申し出て行わなければならない。
3 取り下げのあった審査請求の部分については、初めから係属しなかったものとみなす。
(審査の打ち切り)
第39条 公平委員会は、請求人の所在不明等により審査を継続することができなくなったと認める場合、又は処分者による不利益処分の取り消し、修正等により審査を継続する必要がなくなったと認める場合においては、審査を打ち切り審査請求を棄却することができる。
(裁決)
第40条 公平委員会は、審査の結果に基づいて、すみやかに裁決を行い、裁決書の原本を作成しなければならない。
2 裁決書の原本には、次の各号に掲げる事項を記載し、委員全員が署名しなければならない。
(1) 主文
(2) 事実及び争点
(3) 理由
(4) 裁決の年月日
3 公平委員会は、裁決書の正本を当事者本人に送達するものとする。この場合においては、再審の請求の権利がある旨を合わせて通知するものとする。
第7章 再審
(再審の請求)
第41条 当事者は、次に掲げる場合には、公平委員会に対し、公平委員会の裁決についての審査(以下「再審」という。)を請求することができる。
(1) 裁決の基礎となった証拠が、虚偽のものであることが判明した場合
(2) 事案の審査の際、提出されなかった新たな、かつ重大な証拠が発見された場合
(3) 裁決に影響を及ぼすような事案について、判断の遺漏があった場合
2 再審の請求は、裁決のあった日の翌日から起算して6月以内に行われなければならない。
3 再審の請求は、再審の請求をする者(以下「再審請求人」という。)が、再審請求書正副2通を公平委員会に提出してしなければならない。
4 再審請求書には、次の各号に掲げる事項を記載し、再審請求人が記名しなければならない。
(1) 再審請求人の氏名、住所及び生年月日(再審請求人が処分者であるときは、その職名及び氏名)
(2) 裁決の内容及び年月日
(3) 再審の請求をする理由
(4) 再審請求の年月日
5 再審請求書を提出する場合には、再審の請求をする理由を証明するに足りる資料を添付しなければならない。
(職権による再審)
第42条 公平委員会は、前条第1項各号に掲げる場合に該当すると認めるときは、職権により再審を行うことができる。
2 公平委員会は、職権により再審を行うことを決定したときは、当該決定に係る事案の当事者本人にその旨を通知しなければならない。
(再審の手続き)
第43条 再審は、書面審理により行うものとする。
(再審の結果執るべき措置)
第44条 公平委員会は、再審の結果、最初の裁決を正当と認めるときは、これを確認するものとし、不当と認めるときは、最初の裁決を修正し又はこれに代えて新たに裁決を行うものとする。
第8章 雑則
(審査及び再審の費用)
第45条 審査及び再審の費用は、次の各号に掲げるものを除くほか、それぞれ当事者及び再審当事者の負担とする。
(1) 公平委員会が職権で喚問した証人の宿泊料、旅費及び日当
(2) 公平委員会が職権で行った証拠調べに関する費用
(3) 公平委員会が文書の送達に要した費用
(4) 公平委員会が審理場の借り上げに要した費用
(雑則)
第46条 この規則の施行に関し必要な事項は、公平委員会が定める。
附則
1 この規則は、公布の日から施行する。
2 この規則施行の際、現に係属している事案についてこの規則による改正前の規定によってなされた手続きは、この規則による改正後の相当規定によってなされた手続きとみなす。
附則(平成17年公平委規則第3号)
この規則は、平成17年3月22日から施行する。
附則(平成21年公平委規則第5号)
この規則は、平成21年3月1日から施行する。
附則(令和4年公平委規則第1号)
この規則は、令和4年4月1日から施行する。