○稲敷市空家等対策の推進に関する条例

平成28年9月30日

条例第24号

稲敷市空き家等の適正管理に関する条例(平成26年稲敷市条例第26号)の全部を改正する。

(目的)

第1条 この条例は、適切な管理が行われていない空家等が防災、衛生、景観等の地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしていることに鑑み、その生活環境の保全を図り、あわせて空家等の活用を促進するため、空き家等に関する施策を推進することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 空家等 建築物又はこれに附属する工作物であって居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地(立木その他の土地に定着する物をむ。)をいう。ただし、国又は地方公共団体が所有し、又は管理するものを除く。

(2) 特定空家等 そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態又は著しく衛生上有害となるおそれのある状態、適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にあると認められる空家等をいう。

(空家等の所有者等の責務)

第3条 空家等の所有者又は管理者(以下「所有者等」という。)は、周辺の生活環境に悪影響を及ぼさないよう、空家等の適切な管理に努めるものとする。

(市の責務)

第4条 市長は、次条に規定する空家等対策計画に基づき、市民、事業者、関係機関等と協力し、空家等に関して必要な措置を講ずる施策を総合的に推進するものとする。

(空家等対策計画)

第5条 市長は、空家等に関する対策を総合的かつ計画的に実施するため、空家等に関する対策についての計画(以下「空家等対策計画」という。)を定めるものとする。

2 空家等対策計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。

(1) 空家等に関する対策の対象とする地区及び対象とする空家等の種類その他の空家等に関する対策に関する基本的な方針

(2) 計画期間

(3) 空家等の調査に関する事項

(4) 所有者等による空家等の適切な管理の促進に関する事項

(5) 空家等及び除却した空家等に係る跡地(以下「空家等の跡地」という。)の活用の促進に関する事項

(6) 特定空家等に対する措置(空家等対策の推進に関する特別措置法(平成26年法律第127号。以下「法」という。)第14条第1項の規定による助言若しくは指導、同条第2項の規定による勧告、同条第3項の規定による命令又は同条第9項若しくは第10項の規定による代執行をいう。以下同じ。)その他の特定空家等への対処に関する事項

(7) 住民等からの空家等に関する相談への対応に関する事項

(8) 空家等に関する対策の実施体制に関する事項

(9) その他空家等に関する対策の実施に関し必要な事項

3 市長は、空家等対策計画を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表するものとする。

(協議会)

第6条 市長は、法第7条第1項の規定に基づき、稲敷市空家等対策協議会(以下この条において「協議会」という。)を設置する。

2 協議会は、空家等対策計画の作成及び変更並びに実施に関する事項のほか、特定空家等に対する措置について協議を行うものとする。

3 協議会は、市長のほか、市民、市議会の議員、法務、不動産、建築、福祉、文化等に関する学識経験者その他の市長が必要と認める者のうちから委員15人以内をもって組織し、市長が委嘱する。

4 委員の任期は2年とし、再任を妨げない。ただし、補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。

5 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。委員の職を退いた後も同様とする。

(立入調査等)

第7条 市長は、法第9条第1項の規定により、空家等の所在及び当該空家等の所有者等を把握するための調査その他空家等に関し必要な調査を行うことができる。

2 市長は、法第9条第2項の規定により、法第14条第1項から第3項までの規定の施行に必要な限度において、当該職員又はその委任した者に、空家等と認められる場所に立ち入って調査をさせることができる。

3 市長は、法第9条第2項の規定により当該職員又はその委任した者を空家等と認められる場所に立ち入らせようとするときは、その5日前までに、当該空家等の所有者等にその旨を通知しなければならない。ただし、当該所有者等に対し通知することが困難であるときは、この限りでない。

4 法第9条第2項の規定により空家等と認められる場所に立ち入ろうとする者は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。

5 法第9条第2項の規定による立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(空家等の所有者等に関する情報の利用等)

第8条 市長は、法第10条第1項の規定により、固定資産税の課税その他の事務のために利用する目的で保有する情報であって氏名その他の空家等の所有者等に関するものについては、法の施行のために必要な限度において、その保有に当たって特定された利用の目的以外の目的のために内部で利用することができる。

2 市長は、法の施行のために必要があるときは、法第10条第3項の規定により、関係する地方公共団体の長その他の者に対して、空家等の所有者等の把握に関し必要な情報の提供を求めることができる。

(空家等に関するデータベースの整備等)

第9条 市長は、空家等(建築物を販売し、又は賃貸する事業を行う者が販売し、又は賃貸するために所有し、又は管理するもの(周辺の生活環境に悪影響を及ぼさないよう適切に管理されているものに限る。)を除く。以下第11条までにおいて同じ。)に関するデータベースの整備その他空家等に関する正確な情報を把握するために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

(所有者等による空家等の適切な管理の促進)

第10条 市長は、所有者等による空家等の適切な管理を促進するため、これらの者に対し、情報の提供、助言その他必要な援助を行うよう努めるものとする。

(空家等及び空家等の跡地の活用等)

第11条 市長は、空家等及び空家等の跡地(土地を販売し、又は賃貸する事業を行う者が販売し、又は賃貸するために所有し、又は管理するものを除く。)に関する情報の提供その他これらの活用のために必要な対策を講ずるよう努めるものとする。

(特定空家等に対する措置)

第12条 市長は、法第14条第1項の規定により、特定空家等の所有者等に対し、当該特定空家等に関し、除却、修繕、立木竹の伐採その他周辺の生活環境の保全を図るために必要な措置(そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態又は著しく衛生上有害となるおそれのある状態にない特定空家等については、建築物の除却を除く。次項において同じ。)をとるよう助言又は指導をすることができる。

2 市長は、前項の規定による助言又は指導をした場合において、なお当該特定空家等の状態が改善されないと認めるときは、法第14条第2項の規定により、当該助言又は指導を受けた者に対し、相当の猶予期限を付けて、除却、修繕、立木竹の伐採その他周辺の生活環境の保全を図るために必要な措置をとることを勧告することができる。

3 市長は、前項の規定による勧告を受けた者が正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかった場合において、特に必要があると認めるときは、法第14条第3項の規定により、その者に対し、相当の猶予期限を付けて、その勧告に係る措置をとることを命ずることができる。

4 市長は、前項の措置を命じようとする場合においては、法第14条第4項の規定により、あらかじめ、その措置を命じようとする者に対し、その命じようとする措置及びその事由並びに意見書の提出先及び提出期限を記載した通知書を交付して、その措置を命じようとする者又はその代理人に意見書及び自己に有利な証拠を提出する機会を与えなければならない。

5 前項の通知書の交付を受けた者は、その交付を受けた日から5日以内に、市長に対し、意見書の提出に代えて公開による意見の聴取を行うことを請求することができる。

6 市長は、前項の規定による意見の聴取の請求があった場合においては、法第14条第6項の規定により、同条第3項の措置を命じようとする者又はその代理人の出頭を求めて、公開による意見の聴取を行わなければならない。

7 市長は、前項の規定による意見の聴取を行う場合においては、法第14条第7項の規定により、同条第3項の規定によって命じようとする措置並びに意見の聴取の期日及び場所を、期日の3日前までに、前項に規定する者に通知するとともに、これを公告しなければならない。

8 法第14条第6項に規定する者は、同条第8項の規定により、意見の聴取に際して、証人を出席させ、かつ、自己に有利な証拠を提出することができる。

9 市長は、法第14条第3項の規定により必要な措置を命じた場合において、その措置を命ぜられた者がその措置を履行しないとき、履行しても十分でないとき又は履行しても同項の期限までに完了する見込みがないときは、法第14条第9項の規定により、行政代執行法(昭和23年法律第43号)の定めるところに従い、自ら義務者のなすべき行為をし、又は第三者をしてこれをさせることができる。

10 法第14条第3項の規定により、必要な措置を命じようとする場合において、過失がなくてその措置を命ぜられるべき者を確知することができないとき(過失がなくて同条第1項の助言若しくは指導又は同条第2項の勧告が行われるべき者を確知することができないため同条第3項に定める手続により命令を行うことができないときを含む。)は、市長は、法第14条第10項の規定により、その者の負担において、その措置を自ら行い、又はその命じた者若しくは委任した者に行わせることができる。この場合においては、相当の期限を定めて、その措置を行うべき旨及びその期限までにその措置を行わないときは、市長又はその命じた者若しくは委任した者がその措置を行うべき旨をあらかじめ公告しなければならない。

11 市長は、法第14条第3項の規定による命令をした場合においては、法第14条第11項の規定により、標識の設置その他国土交通省令・総務省令で定める方法により、その旨を公示しなければならない。

12 前項の標識は、法第14条第3項の規定による命令に係る特定空家等に設置することができる。この場合においては、当該特定空家等の所有者等は、当該標識の設置を拒み、又は妨げてはならない。

13 法第14条第3項の規定による命令については、同条第13項の規定により、行政手続法(平成5年法律第88号)第3章(第12条及び第14条を除く。)の規定は、適用しない。

(応急措置)

第13条 市長は、空家等の状態に起因して、人の生命、身体又は財産に危害が及ぶことを回避するため緊急の必要があると認めるときは、これを回避するために必要な最小限度の措置を講ずることができる。

2 市長は、前項の措置を講じたときは、当該措置に係る費用を所有者等に請求することができる。

(関係機関への要請)

第14条 市長は、必要があると認めるときは、市の区域を管轄する関係機関に必要な措置を要請することができる。

(委任)

第15条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、公布の日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の際現にこの条例による改正前の稲敷市空き家等の適正管理に関する条例の規定によりなされた処分、手続その他の行為は、それぞれこの条例の相当規定によりなされたものとみなす。

(稲敷市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)

3 稲敷市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例(平成17年稲敷市条例第37号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

稲敷市空家等対策の推進に関する条例

平成28年9月30日 条例第24号

(平成28年9月30日施行)