○稲敷市避難行動要支援者制度実施要綱
平成29年8月25日
告示第48号
(目的)
第1条 この告示は、災害対策基本法(昭和36年法律第223号)及び稲敷市地域防災計画(以下「地域防災計画」という。)の定めるところにより、災害が発生し、又は発生するおそれがある場合において、支援を必要とする高齢者、障害者等が、地域の中で必要な支援を受けられるための制度を整備することにより、これらの者が安心して暮らすことができる地域づくりの推進を図ることを目的とする。
(1) 要配慮者 高齢者、障害者、乳幼児その他の特に配慮を要する者をいう。
ア 要介護認定等に係る介護認定審査会による審査及び判定の基準等に関する省令(平成11年厚生省令第58号。以下「省令」という。)第1条に規定する要介護3、要介護4又は要介護5の認定を受けている者
イ 身体障害者福祉法(昭和24年法律第283号)第15条第4項の規定により身体障害者手帳の交付を受けた者で、身体障害者福祉法施行規則(昭和25年厚生省令第15号)別表第5号の1級又は2級に該当する障害を有するもの
ウ 療育手帳制度要綱(昭和48年9月27日付け厚生省発児第156号事務次官通知)の規定により、療育手帳の交付を受けている者で、Ⓐ判定又はA判定を受けたもの
エ 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和25年法律第123号)第45条第2項の規定により、障害等級1級の精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている者
オ 特定疾患治療研究事業実施要綱(昭和48年4月17日衛発第242号厚生省公衆衛生局長通知)に規定する特定疾患治療研究事業の対象疾患に罹患している者であって、市の生活支援を受けている者
カ 65歳以上の一人暮らしの者
キ 65歳以上のみに構成された世帯に属する者
ク その他市長が支援を必要と認めた者
(3) 避難支援者 避難行動要支援者を普段から見守り、災害時において情報の伝達、安否の確認、避難の誘導等の支援を行う者であって、支援を行うために個人情報を提供することに同意した者をいう。
(4) 関係課 行政経営部危機管理課、保健福祉部社会福祉課、保健福祉部高齢福祉課、保健福祉部健康増進課、その他避難行動要支援者の支援を行う課をいう。
(避難行動要支援者名簿の作成)
第3条 市長は、地域防災計画の定めるところにより、避難行動要支援者について、避難の支援、安否の確認その他の避難行動要支援者の生命又は身体を災害から保護するために必要な措置(以下「避難支援等」という。)を実施するための基礎とする名簿(以下「避難行動要支援者名簿」という。)を作成する。
2 避難行動要支援者名簿には、避難行動要支援者に関する次に掲げる事項を記載し、又は記録するものとする。
(1) 氏名
(2) 生年月日
(3) 性別
(4) 住所又は居所
(5) 電話番号その他の連絡先
(6) 避難支援等を必要とする事由
(7) 前各号に掲げるもののほか、避難支援等の実施に関し市長が必要と認める事項
3 市長は、第1項の規定による避難行動要支援者名簿の作成に必要な限度で、その保有する要配慮者の氏名その他の要配慮者に関する情報を、その保有に当たって特定された利用の目的以外の目的のために内部で利用することができる。
4 市長は、第1項の規定による避難行動要支援者名簿の作成のため必要があると認めるときは、都道府県知事その他の者に対して、要配慮者に関する情報の提供を求めることができる。
(名簿情報の利用及び提供)
第4条 市長は、避難支援等の実施に必要な限度で、前条第1項の規定により作成した避難行動要支援者名簿に記載し、又は記録された情報(以下「名簿情報」という。)を、その保有に当たって特定された利用の目的以外の目的のために内部で利用することができる。
2 市長は、災害の発生に備え、避難支援等の実施に必要な限度で、地域防災計画の定めるところにより、行政区、自主防災組織、稲敷市民生委員児童委員協議会、稲敷市社会福祉協議会、稲敷警察署、稲敷広域消防本部、稲敷市消防団、その他の避難支援等の実施に携わる関係者(以下「避難支援等関係者」という。)に対し、名簿情報を提供するものとする。ただし、条例に特別の定めがある場合を除き、名簿情報を提供することについて本人(当該名簿情報によって識別される特定の個人をいう。次項において同じ。)の同意が得られない場合は、この限りでない。
3 市長は、災害が発生し、又は発生するおそれがある場合において、避難行動要支援者の生命又は身体を災害から保護するために特に必要があると認めるときは、避難支援等の実施に必要な限度で、避難支援等関係者その他の者に対し、名簿情報を提供することができる。この場合において、名簿情報を提供することについて本人の同意を得ることを要しないものとする。
2 避難行動要支援者は、身体の状況等により申請書兼同意書の記載し、又は提出することが困難な場合は、家族等の者にこれを代理に記載させ、及び提出させることができる。
3 市長は、民生委員児童委員の協力を得て、避難行動要支援者の把握及び避難行動要支援者名簿への登録のために必要な調査を行うことができる。
4 避難行動要支援者は、前項の調査の際、民生委員児童委員等を通じて、申請書兼同意書を市長に提出することができる。
5 市長は、いずれかの方法により申請書兼同意書の提出を受けたときは、当該申請書兼同意書に記載された情報を避難行動要支援者名簿に登載し、これを関係課において共有する。
(登録内容の変更)
第6条 前条の規定により、避難行動要支援者名簿に登録された避難行動要支援者(以下「登録者」という。)は、当該登録時に自ら提供した情報について変更が生じた場合は、変更事項を記入した申請書兼同意書により、速やかに市長に提出するものとする。
2 市長は、前項の規定により変更事項を記入した申請書兼同意書の提出を受けたときは、速やかに登録者に関する名簿情報を変更するものとする。
3 市長は、名簿情報に変更があることを知り得た場合において、登録者、家族等から変更届出書の提出がなされないときは、職権により当該登録者に関する名簿情報を変更することができる。
(登録の抹消)
第7条 登録者は、避難行動要支援者名簿からの登録の抹消を求める場合には、稲敷市避難行動要支援者名簿登録抹消届(様式第3号。以下「登録抹消届」という。)を市長に提出するものとする。
2 市長は、前項の規定により登録抹消届の提出を受けたときは、速やかに避難行動要支援者名簿から登録を抹消するものとする。
3 市長は、登録者が次に掲げる事項に該当する場合には、避難行動要支援者名簿から登録を抹消するものとする。
(1) 死亡したとき。
(2) 市外に転出したとき。
(3) 入院、入所等により自宅に戻れる見通しが立たないとき。
(4) 避難行動要支援者でなくなったとき。
(5) 所在が不明なとき。
(避難支援等関係者による支援)
第8条 避難支援等関係者は、受領した名簿情報を活用して避難行動要支援者に対し次に掲げる支援を行うよう努めるものとする。
(1) 災害時における避難支援等を行うための個別計画の作成
(2) 避難支援等を容易にするために日常生活において行う声かけ及び相談
(3) その他避難支援等に必要な事項
2 避難支援等関係者は、前条各号に掲げる支援以外の目的で名簿情報を利用してはならない。
3 避難支援等関係者は、名簿情報を紛失しないよう適切に保管するとともに、その内容を他の者に知られることのないよう適切に管理しなければならない。
4 避難支援等関係者は、その任を後任の者に引き継ぐ場合は、適切に名簿情報を引き継がなければならない。
5 避難支援等関係者は、名簿情報を紛失したときは、速やかに市長に報告しなければならない。
6 避難支援等関係者は、次に掲げる場合においては、名簿情報を速やかに返却しなければならない。
(1) 避難行動要支援者名簿から登録が抹消され、名簿情報を避難支援等に利用する必要がなくなった場合
(2) 避難行動要支援者名簿を更新する場合
(3) その他市長が必要と認める場合
(市の責務)
第10条 市は、避難行動要支援者名簿への登録を促進するため地域と連携を図り、稲敷市避難行動要支援者制度の普及及び啓発を実施するものとする。
2 市は、避難行動要支援者に対する地域の支援組織の構築を行う者に対し、指導、助言その他の必要な支援を実施するものとする。
3 市は、法令の規定により災害に関する予報若しくは警報の通知を受けたとき、自ら災害に関する予報若しくは警報を知ったとき、法令の規定により自ら災害に関する警報を発したとき、又は気象庁その他の国の機関若しくは都道府県知事から災害に関する予報若しくは通知を受けたときは、地域防災計画に定めるところにより、当該予報、警報又は通知に係る事項を市民、関係機関及び関係団体に伝達するものとする。
4 市は、前項の場合において、要配慮者が避難のための立退きの勧告又は指示を受けたときは、円滑に避難のための立退きを行うことができるよう特に配慮するものとする。
5 市は、法令又は地域防災計画の定めるところにより、災害応急対策を実施する場合は、従事する者の安全の確保に十分配慮するものとする。
(その他)
第11条 この告示に定めるもののほか、必要な事項は、市長が別に定める。
附則
この告示は、平成29年9月1日から施行する。
附則(令和2年告示第26号)
この告示は、令和2年4月1日から施行する。
附則(令和3年告示第23号)
この告示は、令和3年4月1日から施行する。
附則(令和4年告示第57号)
この告示は、令和4年4月1日から施行する。