○稲敷市PPP/PFI手法導入優先的検討規程

平成30年3月23日

告示第6号

(目的)

第1条 この告示は、多様なPPP/PFI手法の優先的検討を行うにあたって必要な手続を定めることにより、新たな事業機会の創出や民間投資の喚起を図り、効率的かつ効果的に公共施設等を整備するとともに、市民に対する低廉かつ良好なサービスの提供を確保し、もって地域経済の健全な発達に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この告示において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) PFI法 民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律(平成11年法律第117号)をいう。

(2) 公共施設等 PFI法第2条第1項に規定する公共施設等をいう。

(3) 公共施設整備事業 PFI法第2条第2項に規定する公共施設等の整備等に関する事業をいう。

(4) 利用料金 PFI法第2条第6項に規定する利用料金をいう。

(5) 運営等 PFI法第2条第6項に規定する運営等をいう。

(6) 公共施設等運営権 PFI法第2条第7項に規定する公共施設等運営権をいう。

(7) 整備等 建設、製造、改修、維持管理若しくは運営又はこれらに関する企画をいい、市民等に対するサービスの提供を含む。

(8) 優先的検討 本規程に基づき、公共施設等の整備等の方針を検討するに当たって、多様なPPP/PFI手法の導入が適切かどうかを、自ら公共施設等の整備等を行う従来型手法に優先して検討することをいう。

(対象とするPPP/PFI手法)

第3条 この告示の対象とするPPP/PFI手法は、次に掲げるものとする。

(1) 民間事業者が公共施設等の運営等を担う手法

 公共施設等運営権方式

 指定管理者制度

 包括的民間委託

 O方式(運営等Operate)

(2) 民間事業者が公共施設等の設計、建設又は製造及び運営等を担う手法

 BTO方式(建設Build―移転Transfer―運営等Operate)

 BOT方式(建設Build―運営等Operate―移転Transfer)

 BOO方式(建設Build―所有Own―運営等Operate)

 DBO方式(設計Design―建設Build―運営等Operate)

 RO方式(改修Renovate―運営等Operate)

 ESCO(Energy Service Company)

(3) 民間事業者が公共施設等の設計及び建設又は製造を担う手法

 BT方式(建設Build―移転Transfer)(民間建設買取方式)

 民間建設借上方式及び特定建築者制度等(市街地再開発事業の特定建築者制度、特定業務代行制度及び特定事業参加者制度並びに土地区画整理事業の業務代行方式をいう。)

(4) その他公的不動産を利活用する手法

 定期借地権方式

 信託方式

 日本版LABV

 民間提案等

(優先的検討の開始時期)

第4条 市長は、次の各号のいずれかに該当するときに優先的検討を実施するものとする。

(1) 新たに公共施設等の整備を行うために基本構想、基本計画等を策定するとき。

(2) 公共施設等の運営等の見直しを行うとき。

(3) 稲敷市公共施設等総合管理計画の改定又は同計画に基づく個別施設計画の策定若しくは改定を行うとき。

(4) 稲敷市水道事業経営戦略、稲敷市下水道事業経営戦略その他公営企業の経営に当たっての留意事項について(平成26年8月29日総務省自治財政局通知)第2に規定する経営戦略の策定又は改定を行うとき。

(5) 前号に掲げるもののほか、公営企業の経営の効率化に関する取組を検討する場合

(6) 公有地の未利用資産等の有効活用を検討する場合

(7) 公共施設等の集約化又は複合化を検討する場合

(優先的検討の対象とする事業)

第5条 優先的検討の対象とする事業は、次の各号のいずれにも該当する公共施設整備事業とする。この場合において、第3条第4号に規定する手法によるものについては、本条の規定によらず優先的検討ができるものとする。

(1) 次のいずれかに該当する事業その他民間事業者の資金、経営能力及び技術的能力を活用する効果が認められる公共施設整備事業。

 建築物又はプラントの整備等に関する事業

 利用料金の徴収を行う公共施設整備事業

(2) 次のいずれかの事業費を満たす公共施設整備事業。ただし、次の事業費基準を満たさない事業でも、PPP/PFI手法の導入が適切な場合は、優先的検討を行うことができるものとする。

 事業費の総額が10億円以上の公共施設整備事業(建設、製造又は改修を含むものに限る。)

 単年度の事業費が1億円以上の公共施設整備事業(運営費のみを行うものに限る。)

2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる公共施設整備事業は、優先的検討の対象から除く。

(1) 既にPPP/PFI手法の導入が前提とされている公共施設整備事業

(2) 民間事業者が実施することが法的に制限されている公共施設整備事業

(3) 災害復旧事業等、緊急に実施する必要がある公共施設整備事業

(適切なPPP/PFI手法の選択)

第6条 市長は、優先的検討の対象となる公共施設整備事業について、次条に規定する簡易な検討(以下「簡易な検討」という。)又は第8条に規定する詳細な検討(以下「詳細な検討」という。)に先立って、当該事業の期間、特性、規模等を踏まえ、当該事業の品質確保に留意しつつ、最も適切なPPP/PFI手法(以下「採用手法」という。)を選択するものとする。この場合において、唯一の選択をすることが困難であるときは、複数の手法を選択でいるものとする。

2 市長は、採用手法が次の各号の掲げるものに該当するときは、それぞれ当該各号に定めるところにより、当該採用手法の導入を決定することができるものとする。

(1) 指定管理者制度 簡易な検討及び詳細な検討の省略

(2) 当該事業が施設整備業務の比重が大きいもの又は運営等の業務内容が定型的なものに該当する場合におけるBTO方式 簡易な検討を省略し、詳細な検討を実施

(3) 民間事業者からPPP/PFIに関する提案がある場合であって、当該提案において、従来型手法による場合と採用手法を導入した場合との間での費用総額の比較等の客観的な評価により、当該採用手法の導入が適切であるとされている場合における当該採用手法 簡易な検討を省略し、詳細な検討を実施

(簡易な検討)

第7条 市長はPPP/PFI手法定量評価調書(別記様式)により、自ら公共施設等の整備等を行う従来型手法による場合と採用手法を導入した場合との間で、次の各号に掲げる費用等の総額(以下「費用総額」という。)を比較し、採用手法の導入の適否を評価するものとする。この場合において、前条第1項後段の規定により複数の手法を選択したときは、各々の手法について費用総額を算出し、その最も低いものと、従来型手法による場合の費用総額との間で同様の比較を行うものとする。

(1) 公共施設等の整備等(運営等を除く。)の費用

(2) 公共施設等の運営等の費用

(3) 民間事業者の適正な利益及び配当

(4) 調査に関する費用

(5) 資金調達に要する費用

(6) 利用料金収入

(7) 税金その他採用手法導入に要する費用

2 市長は、採用手法の過去の実績が乏しいこと等により費用総額の比較が困難と認めるときは、前項の規定にかかわらず、次に掲げる評価その他公的負担の抑制につながることを客観的に評価することができる方法により採用手法の導入の適否を評価することができるものとする。

(1) 民間事業者への意見聴取を踏まえた評価

(2) 類似事例の調査を踏まえた評価

(詳細な検討)

第8条 市長は簡易な検討において、採用手法の導入が適すると評価した公共施設整備事業を対象として、詳細に検討を行い、改めて採用手法導入の適否を判断するものとする。

2 手法について詳細に検討する場合においては、専門的な外部コンサルタントを活用する等により、次に掲げる項目について検討するものとする。

(1) 採用手法を導入する場合の民間事業者に委託する業務の範囲及び要求する水準の検討

(2) リスク分担の検討

(3) 従来型手法及び採用手法を導入した場合において、それぞれの費用総額の算出及び比較

(4) 採用手法に公共施設等運営権(コンセッション)方式が含まれている場合は、次に掲げる検討

 当該事業の長期契約への適否の検討

 既存の公共施設等の状態に関わるリスク分担の検討

(5) 採用手法に設計、建設及び運営等を一括して委託する手法が含まれる場合にあっては、当該事業の長期契約への適否の検討

(6) その他市民サービスへの影響及び業務の効率化における効果等の検討

(評価結果の公表)

第9条 市長は、第7条第1項に規定する費用総額の比較による評価の結果、PPP/PFI手法の導入に適しないと評価した場合は、次の各号に掲げる事項を、それぞれ当該各号に定める時期に市ホームページ上で公表するものとする。

(1) PPP/PFI手法を導入しないこことした旨その他当該公共施設整備事業の予定価格の推測につながらない事項 PPP/PFI手法を導入しないことととした後、遅滞ない時期

(2) PPP/PFI手法定量評価調書の内容 入札手続の終了後等適切な時期

2 市長は、第7条第2項に規定する費用総額の比較によらない客観的な評価の結果、PPP/PFI手法の導入に適しないと評価した場合は、次の各号に掲げる事項を、それぞれ当該各号に定める時期に市ホームページ上で公表するものとする。

(1) PPP/PFI手法を導入しないこととした旨及び客観的な評価結果の内容(当該公共施設整備事業の予定価格の推測につながらないものに限る。) PPP/PFI手法を導入しないことととした後、遅滞ない時期

(2) 客観的な評価結果の内容(当該公共施設整備事業の予定価格の推測につながらないものに限る。) 入札手続の終了後等適切な時期

3 市長は、詳細な検討の結果、PPP/PFI手法の導入に適しないと評価した場合には、次の各号に掲げる事項を、それぞれ当該各号に定めるホームページ上で公表するものとする。

(1) PPP/PFI手法を導入しないこととした旨その他当該公共施設整備事業の予定価格の推測につながらない事項 PPP/PFI手法の導入をしないこととした後、遅滞ない時期

(2) PPP/PFI手法定量評価調書の内容(詳細な検討の結果を踏まえて更新した場合は当該更新した後のもの) 入札手続の終了後等適切な時期

(委任)

第10条 この告示に定めるもののほか、PPP/PFI手法の導入に関し必要な事項は、市長が別に定める。

(施行期日)

1 この告示は、平成30年3月26日から施行する。

(経過措置)

2 この告示の施行の際、現に基本構想、基本計画等が策定され、市長が従来型手法を導入すると決定した公共施設整備事業については、この告示は適用しない。

画像

稲敷市PPP/PFI手法導入優先的検討規程

平成30年3月23日 告示第6号

(平成30年3月26日施行)