○稲敷市太陽光発電設備の適正な設置及び管理に関する条例
令和8年6月12日
条例第17号
(目的)
第1条 この条例は、市内における太陽光発電設備の設置、管理及び撤去に関し必要な事項を定め、その適正な実施のための助言、指導等を行うことにより、事業区域及びその周辺の地域における災害の発生の防止、良好な景観の形成、生活環境の保全並びに隣接住民及び周辺関係者の生活との調和を図り、もって市民の安全と安心の確保及び地域社会の発展に資することを目的とする。
(1) 太陽光発電設備 再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法(平成23年法律第108号)第2条第2項の再生可能エネルギー発電設備のうち、同条第3項第1号の太陽光を再生可能エネルギー源とするもの及びその附属設備をいう。
(2) 設置事業 太陽光発電設備を設置(増設及び改修を含む。)する事業及び森林の伐採、土地の形質の変更その他の太陽光発電設備を設置するために必要な工事を行う事業をいう。
(3) 発電事業 太陽光発電設備を利用し発電を行う事業をいう。
(4) 事業区域 設置事業及び発電事業を行う一団の土地(太陽光発電設備に附属する管理施設、変電施設、緩衝帯等に係る土地を含む。)であって、柵、塀等の工作物の設置その他の方法により当該土地以外の土地と区別された区域をいう。ただし、次に掲げる区域については、一体の区域とみなし、事業区域に含めるものとする。
ア 連接する土地であって、樹木の伐採、土地の造成等による区画形質の変更を同時に行う土地の区域
イ 設置事業の実施に当たり、関係する法令等の許可、認可等を同時に受ける土地の区域
ウ 物理的形状、所有者又は事業者の形態によって一体利用と認められる区域
(5) 事業者 設置事業又は発電事業を行う者をいう。
(6) 隣接住民 事業区域に隣接する土地の所有者又は当該土地に所在する建築物の所有者、居住者若しくは当該建築物において事業を営む者その他規則で定める者をいう。
(7) 行政区等 稲敷市行政区設置条例(令和2年稲敷市条例第1号)第1条に規定する行政区その他これに類する団体をいう。
(8) 周辺関係者 次に掲げる者(隣接住民を含む。)をいう。
ア 事業区域の境界から規則で定める区域内に所在する次に掲げる者
(ア) 建築物の使用者及び所有者
(イ) 土地の所有者
イ アに掲げる者に係る行政区等の代表者(同様の職務を担当するものを含む。)
(9) 紛争 太陽光発電設備の設置事業又は発電事業に伴う、反射光、熱、騒音、振動、雑草の繁茂、雨水対策、維持管理等を原因として、事業者と隣接住民及び周辺関係者との間に生じる紛争をいう。
(市の責務)
第3条 市は、第1条の目的を達成するため、この条例の適正かつ円滑な運用が図られるよう必要な措置を講ずるものとする。
(土地の所有者の責務)
第4条 土地の所有者は、良好な自然環境、景観若しくは生活環境を損ない、又は災害の発生を助長するおそれのある事業者に対し、当該土地を太陽光発電事業の用に供させることのないよう努めなければならない。
2 土地の所有者は、設置事業により、良好な自然環境若しくは景観を損ない、又は生活環境への被害若しくは災害等が発生することのないよう、事業区域を適正に管理しなければならない。
3 土地の所有者は、事業者が、発電事業を終了した場合又は発電事業の中止を命じられた場合において、当該事業区域について太陽光発電設備の撤去その他必要な措置を講じないときは、当該事業区域について太陽光発電設備の撤去その他必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
(事業者の責務)
第5条 事業者は、太陽光発電設備の設置に当たっては、この条例のほか、設置事業及び発電事業に関係する法令等を遵守するとともに、良好な自然環境、景観及び生活環境の保全並びに災害の防止に十分に配慮し、隣接住民及び周辺関係者との良好な関係の保持に努めなければならない。
2 事業者は、地域との共生に支障を生じさせないよう太陽光発電設備の適切な管理に努めなければならない。
3 事業者は、太陽光発電設備に係る事故が発生したとき又は苦情若しくは紛争が生じたときは、直ちに必要な措置を講じるとともに、誠意をもってその解決に当たらなければならない。
(適用範囲)
第6条 この条例の規定は、発電出力が10キロワット以上の事業用の太陽光発電設備について適用する。ただし、当該太陽光発電設備を建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号に規定する建築物に設置する場合を除く。
(抑制区域)
第7条 市長は、良好な自然環境、景観及び生活環境の保全並びに災害の防止のため、特に配慮が必要と認められる区域を発電事業の抑制区域として、規則で定めるところにより、指定するものとする。
2 市長は、事業者に対し、前項の規定により指定した抑制区域を事業区域に含めないよう協力を求めることができる。
(事業の制限)
第8条 事業者は、稲敷市暴力団排除条例(平成23年稲敷市条例第11号)第2条に規定する暴力団、暴力団員及び暴力団員等(以下この条において「暴力団等」という。)又は暴力団等と関係を有するもの若しくは暴力団等がその事業活動を支配するものに該当する場合は、設置事業及び発電事業を行うことができない。
(配慮事項)
第9条 市長は、この条例の目的を達成するため、設置事業及び発電事業において特に配慮が必要な事項を配慮事項として、規則で定めるところにより、事業者に対し、適切な対応を求めることができる。
(設計の基準)
第10条 事業者は、設置事業に係る工事の設計に当たっては、設計の基準について、規則で定めるところにより、適合するようにしなければならない。
(事前協議)
第11条 事業者は、第13条の実施協議をするときは、規則で定めるところにより、市長と事前協議をしなければならない。
2 市長は、前項の規定により事前協議があったときは、事業者に対し、必要な指導又は助言をすることができる。
(隣接住民及び周辺関係者への説明)
第12条 事業者は、設置事業を実施する前に、隣接住民に対して、設置事業の内容、工事の施工方法、安全対策及び維持管理並びに発電事業を終了した後の対応その他周知すべき事項(以下「周知事項」という。)について十分な理解を得られるように努め、個別訪問等により説明を行わなければならない。この場合において、事業者は、説明を行ったときは、規則で定めるところにより、市長に報告しなければならない。
2 事業者は、前項の規定による説明後、周辺関係者に対し、規則で定めるところにより、説明会を速やかに開催し、周知事項について説明しなければならない。この場合において、事業者は、説明会を行ったときは、規則で定めるところにより、市長に報告しなければならない。
3 事業者は、当該設置事業の内容について、規則で定める事項を記した標識を事業区域内の見やすい場所に掲示しなければならない。
4 隣接住民及び周辺関係者は、この条例の目的を達成するため、市の施策及びこの条例に定める説明会等の手続に協力するように努めなければならない。
(実施協議)
第13条 事業者は、設置事業に着手しようとする日の30日前までに、規則で定めるところにより、市長に太陽光発電設備設置等計画書を提出し、市長と協議しなければならない。
(実施協議終了の通知)
第14条 市長は、前条の実施協議を終了したときは、事業者に当該実施協議を終了した旨を通知するものとする。
2 市長は、必要があると認めるときは、前項の規定による通知に意見を付すことができる。
3 事業者は、第1項の規定による通知を受けた後でなければ、設置事業に着手してはならない。
(実施協議の変更)
第15条 事業者は、第13条の実施協議を変更しようとするときは、規則で定めるところにより、届出を行い、改めて市長と協議をしなければならない。ただし、規則で定める軽微な変更をしようとするときは、この限りでない。
(実施協議の取下げ)
第16条 事業者は、実施協議又は実施協議の変更を取り下げようとするときは、規則で定めるところにより、速やかに市長に届け出なければならない。
(工事の完了)
第17条 事業者は、第14条第1項の規定による通知を受けた設置事業の工事を完了したときは、規則で定めるところにより、その旨を市長に届け出なければならない。
(発電事業の開始)
第18条 発電事業を行う事業者(以下「発電事業者」という。)は、発電事業の運用を開始したときは、規則で定めるところにより、速やかに市長に届け出なければならない。
2 発電事業者は、発電事業開始後に、土地の所有者に変更が生じたときは、規則で定めるところにより、速やかに市長に届け出なければならない。
(標識の設置)
第19条 発電事業者は、発電事業を実施する間、事業区域内の見やすい場所に、規則で定める事項を記した標識を設置しなければならない。
(太陽光発電設備の維持管理)
第20条 発電事業者は、発電事業を実施する間、生活環境等の保全又は災害の防止に関し支障が生じないよう、規則で定めるところにより、太陽光発電設備及び事業区域を常時安全かつ良好な状態に維持管理しなければならない。
(異常発生時の対応)
第21条 発電事業者は、自然災害その他の要因により太陽光発電設備の破損その他の異常が発生し、市民生活の安全の確保及び生活環境の保全に支障が生じ、又は生じるおそれがあるときは、直ちに現地を確認し、被害の発生又は拡大を防止するために必要な措置を講ずるとともに、規則で定めるところにより、その結果を市長に報告し、隣接住民及び周辺関係者に周知しなければならない。
(発電事業終了後の適正処分等)
第22条 発電事業者は、発電事業を終了したときは、規則で定めるところにより、速やかに市長に届け出なければならない。
2 発電事業者は、発電事業を終了したときは、太陽光発電設備を速やかに撤去し、関係法令等に基づき適正に処分するとともに、当該太陽光発電設備を撤去した後の土地について、良好な自然環境、景観及び生活環境の保全並びに災害の防止のために必要な措置を講じなければならない。
3 発電事業者は、太陽光発電設備の撤去及び処分が完了したときは、規則で定めるところにより、速やかに市長に報告しなければならない。
4 前3項の場合において、市長は、現地確認を行い、必要な指導又は助言をすることができる。
(廃棄等費用の確保等)
第23条 発電事業者は、計画的に資金を積み立てることその他の方法により、次に掲げる費用を確保しなければならない。
(1) 太陽光発電設備の維持管理に要する費用
(2) 太陽光発電設備の解体及び撤去並びにこれに伴い発生する廃棄物の処理に要する費用
(損害賠償責任保険等への加入)
第24条 事業者は、太陽光発電設備の設置工事に着手する日から当該太陽光発電設備を廃止する日までの間、当該太陽光発電設備における発電事業の実施に起因して生じた他人の生命又は身体及び財産に係る損害を填補する保険又は共済(以下「損害賠償責任保険」という。)へ加入するよう努めなければならない。ただし、当該太陽光発電設備の設置に係る期間中の損害賠償責任保険への加入にあっては、当該太陽光発電設備の設置工事の施工者が損害賠償責任保険への加入をすることをもって、これに代えることができる。
2 事業者は、災害等による発電事業の途中での修繕、撤去又は処分に備え、火災保険、地震保険その他必要な保険に加入するよう努めなければならない。
(地位の承継及び届出)
第25条 事業者の地位を承継した者は、規則で定めるところにより、その旨を市長に届け出なければならない。
(報告の徴収及び立入調査等)
第26条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、事業者に対し、管理の状況その他必要な事項について報告を求めることができる。
2 市長は、この条例の施行に必要な限度において、当該職員に、事業区域内に立ち入らせ、書類その他の物件を検査させ、又は関係者に質問させることができる。
3 前項の規定による立入調査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
(指導、助言又は勧告)
第27条 市長は、この条例の施行上必要があると認めるときは、事業者に対し、必要な指導又は助言をすることができる。
2 市長は、次の各号のいずれかに該当するときは、当該事業者に対し、必要な措置を講ずるよう勧告することができる。
(1) この条例の規定による協議、届出若しくは報告を怠ったとき、又は虚偽の届出等を行ったとき。
(2) 第14条第1項の規定による通知を受ける前に設置事業に着手したとき。
(4) 第22条第2項の規定による撤去若しくは処分をせず又は撤去した後の土地について必要な措置を講じなかったとき。
(5) 前条第1項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をしたとき。
(7) 前項の助言又は指導に正当な理由なく従わなかったとき。
(公表)
第28条 市長は、前条第2項の規定による勧告を受けた者が正当な理由なく当該勧告に従わないときは、当該者の氏名及び住所(法人その他の団体にあっては、その名称及び代表者の氏名並びに主たる事務所の所在地)並びに当該勧告の内容を公表することができる。
2 市長は、前項の規定による公表を行おうとするときは、あらかじめ事業者に対して、その理由を通知し、意見を述べる機会を与えなければならない。
(国又は県への報告)
第29条 市長は、前条第1項の規定により公表を行った後、公表の内容及び事実を国又は県に報告することができる。
(委任)
第30条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、令和8年9月1日から施行する。