妙岐ノ鼻
妙岐ノ鼻は、稲敷市浮島地区(稲敷大橋付近)にある、霞ヶ浦に突き出た形で広がる湿地帯です。
この妙岐ノ鼻一帯は、今では見かけることの少なくなった、かやぶき屋根の材料となる葦が生い茂る「茅場」です。その広さは約50ha、東京ドーム約10個分もの広大な湿原で、関東では最大級のヨシ原といわれています。特に、国内希少野生動植物種に指定されている「カドハリイ」は、生息地が全国唯一妙岐ノ鼻のみとなっています。このほか、マコモ、ガマ、カモノハシなど湿性植物の群落もあり、これらは環境省の特定植物群落として指定されています。2004年には水郷筑波国定公園第3種特別地域にも指定されました。
またここは、野鳥が数多く訪れる場所でもあります。バードウォッチングの場所としても人気を集めていて、全国的に棲息地が少なく、環境省や茨城県のレッドリストに掲載されている絶滅危惧種のコジュリンやオオセッカなどの重要な繁殖場所となっています。ほかに、オオヨシキリ、コヨシキリなどの野鳥も見られます。
近年は、2月下旬より3月の上旬にかけて、これらの貴重な動植物の保全のためにヨシ焼きが行われています。
現在、妙岐ノ鼻は独立行政法人水資源機構が管理しており、野鳥観察小屋や湿生植物を観察できる木道が整備されています。
【場所】 稲敷市浮島 アクセスマップ(地図をご覧いただけます)
妙岐ノ鼻で確認された主な動植物(注目種)
〇鳥類
科目 | 環境省RDB | 茨城県RDB |
備考 |
|
チュウヒ | タカ科 | 絶滅危惧IB類 | 絶滅危惧IB類 | |
オオセッカ | センニュウ科 | 絶滅危惧IB類 | 絶滅危惧IB類 | 国内希少野生動植物種 |
コヨシキリ | ヨシキリ科 | 対象外 | 絶滅危惧IB類 | |
コジュリン | ホオジロ科 | 絶滅危惧II類 | 絶滅危惧II類 |
〇植物
科目 | 環境省RDB | 茨城県RDB | 備考 | |
カドハリイ |
カヤツリグサ科 | 絶滅危惧IA類 | 絶滅危惧IA類 | 国内希少野生動植物種 唯一の生育地 |
マシカクイ | カヤツリグサ科 | 対象外 | 絶滅危惧IB類 | |
オオクグ | カヤツリグサ科 | 準絶滅危惧 | 絶滅危惧IB類 | |
ヌマアゼスゲ | カヤツリグサ科 | 絶滅危惧II類 | 絶滅危惧IB類 | |
ヌマクロボスゲ | カヤツリグサ科 | 絶滅危惧II類 | 絶滅危惧IB類 | |
アサマスゲ | カヤツリグサ科 | 準絶滅危惧 | 絶滅危惧IB類 | |
ハナムグラ | アカネ科 | 絶滅危惧II類 | 絶滅危惧II類 | |
タタラカンガレイ | カヤツリグサ科 | 対象外 | 絶滅危惧II類 | |
カキツパタ | アヤメ科 | 準絶滅危惧 | 絶滅危惧II類 | |
ミズチドリ | ラン科 | 対象外 | 準絶滅危惧 | |
カモノハシ | イネ科 | 対象外 | 準絶滅危惧 |


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- 2022年2月9日
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